豪ロイヤルメルボルン工科大学(RMIT)は1月22日、豪政府から370万豪ドルの助成を受け、航空交通管理サービスを手掛ける豪州の企業スカイクラフト(Skykraft)およびインドのマイクロチップ製造業者と共同で、光を用いた新たな地球低軌道測位・航法・測時(PNT)技術の開発に取り組むことを発表した。
RMITの研究者が開発する、光マイクロチップを用いたマイクロコム(microcombs)というシステムは、PNTを含むさまざまな用途に迅速に応用できると期待されている。今回の共同プロジェクトでは、PNT用にこれらのチップを開発し、地球低軌道での展開に向けて豪州・インド間のサプライチェーンを構築することを目指す。
この技術は米国の全地球測位システム(Global Positioning System:GPS)やインド地域航法衛星システム(Indian Regional Navigation Satellite System)などの測位衛星システムを補完する、より小型で手頃な価格のPNTシステムを実現できると期待されている。
RMIT理学部(School of Science)のスーリン・チョイ(Suelynn Choy)教授(衛星測位)は、自国の測位システムを開発することで、基幹的なPNTインフラを米国や欧州に依存する状態から脱却できると語っている。
今回の助成金は、インドとの共同宇宙プロジェクトを支援するオーストラリア宇宙庁(Australian Space Agency)の「International Space Investment India Projects」プログラムを通じて提供される。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部