2025年02月
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アルミニウム精錬の脱炭素化に20億豪ドルを投資 豪政府

オーストラリア政府は1月20日、20億豪ドルを投じて、アルミニウム製錬業者の脱炭素化を支援する制度「グリーンアルミニウム生産クレジット(Green Aluminium Production Credit)」を導入することを発表した。

(出典:豪政府)

この制度は2028-29年から開始される予定である。概要は以下の通り。

  • 2036年までに大幅な脱炭素化を示すことができた製錬業者は、グリーンアルミニウムの生産量に基づき10年間にわたり提供されるクレジット契約(credit contract)を交渉できる。
  • 最終的なクレジット額はスコープ2の温室効果ガス排出量(購入した電気、蒸気、熱、冷却などに伴う間接排出。アルミニウム精錬による排出の85%を占める)に基づいて決定される。
  • 2030年に、クレジットの設計や市場への影響に関する評価を実施する。

豪政府は今後3年間で150万豪ドルを投じてグリーンアルミニウムの基準の策定審議を行い、同制度の最終的な設計や適格基準を決定する。

グリーンメタルは、豪政府が掲げる脱炭素化支援計画「Future Made in Australia」における優先事項の1つであり、豊富な鉱物資源と再生可能資源、確立された鉱業・金属産業を有する豪州にとって、新たな競争力をもたらす機会と考えられている。

豪州のアルミニウム産業は世界的にも競争力が高く、同国の経済・雇用において重要な役割を果たしている。同産業は現在、国内で1万3000人分の直接・間接雇用を生み出しており、今回の支援策はさらなる雇用創出につながると期待されている。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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