2025年03月
トップ  > 大洋州科学技術ニュース> 2025年03月

廃棄物焼却発電(EfW)における効率と排出量の課題を指摘 豪モナシュ大学

オーストラリアのモナシュ大学(Monash University)は2月27日、同大学の研究チームが、廃棄物焼却発電(energy-from-waste:EfW)に改善の余地があることを示す研究成果を発表したと伝えた。この研究成果は学術誌Nature Energyに掲載されている。

廃棄物の焼却による熱を利用して発電するEfWは埋め立てよりも環境に優しい廃棄物処理方法とされ、近年中国では急速に拡大している。今回の研究では、中国の約600カ所のEfW施設のデータを20年間にわたり分析した。その結果、EfWは埋め立てによる排出を削減することに貢献しているが、その効果は廃棄物の構成や技術の発展度合いに大きく左右されることがわかった。一部のEfW施設は、電力の出力単位あたりの炭素排出量が石炭火力発電所よりも大きかった。

著者の一人である同大学社会環境工学科(Department of Civil and Environmental Engineering)の博士候補ベン・リウ(Ben Liu)氏は、「中国の廃棄物における重要な傾向の1つとして、廃棄物に占めるプラスチック量が増加し、EfWからの炭素排出量の増加を招いています。この課題は廃棄物の分別とリサイクルを改善することにより緩和できます」と指摘する。

さらにリウ氏は「もう1つの課題は、中国のEfWプラントの進歩が、エネルギー変換効率の点で典型的な発電所よりも遅れていることです。先進的な装置の導入を奨励する、適切に設計された政策が必要とされています」と述べている。

この研究では、廃棄物の分別と最新機器への投資の改善により、2060年までにEfWの排出量を半分に削減できる可能性を示唆している。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部