(出典:豪政府)
オーストラリア産業・科学・資源省(Department of Industry, Science and Resources)は、新たに設立された10億豪ドルの「グリーン鉄投資ファンド(Green Iron Investment Fund)」を通じて、豪州におけるグリーン鉄の製造とサプライチェーンの構築を支援することを発表した。
このファンドでは、豪州の鉄鉱産業を強化し、地域に付加価値をもたらすグリーン鉄プロジェクトに対し、5億豪ドル以上の資金を提供する。また、南オーストラリア州のワイアラ(Whyalla)製鉄所の改革に最大5億豪ドルを出資する。
グリーン金属は世界の脱炭素化の鍵となる可能性があり、ネットゼロ経済に向けた豪政府の「Future Made in Australia」計画でも優先事項の1つに挙げられている。今回設立されたファンドは、豪州が持つ以下の強みを活用することを促す。
同省の分析によると、世界のグリーン鉄の需要は、ネットゼロ排出シナリオでは2050年までに約8億5200万トンに達する。豪州において、グリーン鉄は数十億ドル規模の産業を創出し、国内総生産(GDP)や所得の増加、雇用創出といった効果をもたらす可能性がある。
このファンドでは、先駆的なグリーン鉄プロジェクトを支援し、投資の初期資本の壁を乗り越えられるよう支援する。応募者は商業的・技術的・経済的実行可能性を含めた評価を受ける。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部