オーストラリアのメルボルン大学(University of Melbourne)は3月12日、同大学のバイオセキュリティ研究機関Centre of Excellence for Biosecurity Risk Analysis(CEBRA)が、豪州の農林水産業や環境、生活様式を守るためのバイオセキュリティ研究の継続に対し、豪州政府から3年間で640万豪ドルの助成を受けることを発表した。
CEBRAはこの資金を用いて、先進的なモニタリング・検出ツールやリスク予測モデリングを開発し、貿易や農業、環境、地域社会に恩恵をもたらすことを目指す。また、政策や意思決定に最新の科学知見が確実に反映されるように取り組む。
CEBRAは豪州政府の長期的なバイオセキュリティ研究プログラムの一環として運用されており、豪州政府の農業・漁業・林業省(DAFF)とニュージーランド第一次産業省(MPI)の支援を受けている。同機関は2006年に「Australian Centre of Excellence for Risk Analysis」として設立されて以来、政府のバイオセキュリティへの取り組みを強化し、リスク分析や規制介入、検査、監視の基礎となる、エビデンスに基づく知見を提供するための共同研究に取り組んでいる。
今回の助成により、CEBRAは、バイオセキュリティシステムの評価、動物疾患流行中の政策成果のモデリング、効率的かつ効果的な国境介入活動、研究グレードのツールの普及推進といった同センターの研究テーマをさらに発展させることができると見込んでいる。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部