2025年04月
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2050年ネットゼロ達成に向けて主要3プロジェクトを認定 豪政府

オーストラリア産業・科学・資源省は3月26日、2050年のネットゼロ達成に貢献する新たな脱炭素関連の大型事業として、「サンランズ・エア半島グラファイト・ハブ」、「サンライズ・バッテリー材料複合プロジェクト」、「ウェスタン・グリーンエネルギー・ハブ」の3件に主要プロジェクト・ステータスを授与したと発表した。

サンランズ・エア半島グラファイト・ハブ
(出典:豪政府)

「サンランズ・エア半島グラファイト・ハブ」は、南オーストラリア州エア半島での薄片状黒鉛の採掘と精製を行うもので、最終的には現地における精製能力を整備する。生産される精鉱はバッテリーの負極材料として利用される。また、サンランド・エナジー(Sunland Energy)社と提携し、熱エネルギー貯蔵システムの製造にも取り組む予定で、最大200人の建設雇用と180人の継続雇用が見込まれている。

ニューサウスウェールズ州で展開される「サンライズ・バッテリー材料プロジェクト」では、リチウムイオン電池に不可欠なニッケル、コバルト、スカンジウムなどの重要鉱物を採掘する計画だ。プロジェクトの稼働後には1700人の建設雇用と380人の継続雇用が創出されると見込まれている。

西オーストラリア州ナラーバー平原で進められる「ウェスタン・グリーンエネルギー・ハブ」は、1万5000km2におよぶ広大なエリアに3000基の風力タービンと2500万枚のソーラーパネルを設置し、最大70GWの風力発電と太陽光発電が可能となる世界的規模のプロジェクトだ。これにより年間最大350万tのグリーン水素や合成燃料(e-fuel)の生産が見込まれている。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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