2025年06月
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科学とイノベーションによる未来構築を提言 豪科学アカデミー

オーストラリア科学アカデミー (Australian Academy of Science)は5月12日、アンソニー・アルバニージー(Anthony Albanese)政権の新内閣発足を受け、研究開発(R&D)と科学技術による国家構築に向けた7つの優先課題を発表した。

同アカデミーのチェンヌパティ・ジャガディッシュ(Chennupati Jagadish)会長は、R&D戦略調査の実施を歓迎し「R&D体制の再設計は生産性、経済の多様化、雇用創出に不可欠であり、オーストラリアの未来の構築をもたらすでしょう」と述べた。

提示された7つの優先事項は以下の通り。

  1. 包括的なR&D制度見直しを通じ、生産性や国際競争力の柱と位置付ける
  2. 世界的研究者の誘致に共同投資し、国内の研究力を強化
  3. 老朽化するスーパーコンピューターなどの基盤を近代化
  4. ワクチンや量子計算などにおける脆弱性へ対応
  5. 科学技術を外交の要とする国際協力戦略を策定
  6. 基礎研究を含むAI能力構築のための国家投資計画を策定
  7. 科学技術会議を改革し、政策決定に科学的根拠を反映

また同会長は、ティム・エアーズ(Tim Ayres)産業・イノベーション相兼科学相とアンドリュー・チャールトン(Andrew Charlton)科学技術・デジタル経済担当補佐官の就任を歓迎した。

さらに、アンドリュー・リー(Andrew Leigh)生産性担当補佐官やマレイ・ワット(Murray Watt)環境・水資源相の新任に加え、リチャード・マールズ(Richard Marles)副首相兼国防相、ペニー・ウォン(Penny Wong)外相らの再任にも期待を示した。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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