2025年07月
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天然ガスの埋蔵量・生産量ともに減少が加速 ニュージーランド

ニュージーランド政府のビジネス・イノベーション・雇用省(MBIE)は6月5日、2025年1月1日時点での天然ガス埋蔵量が前年と比べて27%減少し、確認埋蔵量と推定埋蔵量(2P)の合計が1300ペタジュール(PJ)から948PJに減少したと発表した。

この減少は、ガス田事業者による地中から容易に抽出可能なガス埋蔵量の推定値の下方修正分の234PJと、実際の年間使用分である119PJによるものだ。一方で、現状の技術や経済条件下では採掘が困難とされる潜在的天然ガス埋蔵量は前年より10%増加し、184PJとなった。この増加には、既存の埋蔵量が格下げになったものが含まれている他、ポホクラ油田で新たに報告された条件付きガスが含まれている。これらの潜在的天然ガスは、今後の技術・経済環境の変化により、採取可能とされる2Pに格上げとなる可能性もあるという。

2024年のガス生産量も前年から22%減少し、ポホクラ、マウイ、マンガヘワ、クペの各ガス田で1日あたり109テラジュール(TJ)の供給が減った。年間生産量が100PJを下回る時期はこれまでの予測の2029年から2026年へと前倒しされる見込みとなっている。

MBIEのデータ提供責任者のカーリーン・ティプラー(Karlene Tipler)氏は「天然ガスの埋蔵量は、以前の予測よりも早く、速いペースで減少し続けています」と語る。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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