2025年07月
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生徒と教師向けAIリテラシーツール開発、グーグルが支援 豪ニューサウスウェールズ大学

オーストラリアのニューサウスウェールズ大学(UNSW)は6月10日、同大学の研究者が慈善団体のデイ・オブ・AIオーストラリア(Day of AI Australia)と協力し、グーグル(Google)からの助成金を受けて、子どもたちに人工知能(AI)リテラシーを教える新しいツールを開発すると発表した。

AIの普及はますます強力に進んでいる。AIリテラシーは世界で最も需要の高いスキルの1つとなっている。しかしながら、現在オーストラリアの学校にAIリテラシーに関するカリキュラムはない。AIの実践的な経験がなく、情報に通じた教師の指導がなければ、オーストラリアの若者は有能なクリエイターになることは難しく、受動的な利用者になる恐れがある。 グーグルは教育格差を埋め、オーストラリアの生徒と教師向けに無料の実践的なAIリテラシープログラムを提供するため、UNSWとそのパートナーを支援する。

UNSWとデイ・オブ・AIオーストラリアは、グーグル・ドット・オーグ(Google.org)社が提供する生成AIアクセラレーター(Generative AI Accelerator)プログラムの一環として、資金と技術的な専門知識を受けており、同様のAIリテラシープログラムを展開する世界の20の組織の1つである。

グーグルの世界的な取り組みは、生成AIを活用して重大な社会課題にチャンレンジする組織を支援する。このプログラムは、AIを活用した未来で成功するために必要な知識や自信、実践的な経験を学生に提供する。UNSWとデイ・オブ・AIオーストラリアの取り組みは、オーストラリア人が単なるAIの利用者ではなく、AIの開発と倫理的な展開におけるグローバルリーダーになることを目的としている。

UNSWコンピューターサイエンス&エンジニアリング学部でコンピューターサイエンスの研究ディレクター兼コンピューター教育研究グループの共同責任者を務めるジェイク・レンツェラ(Jake Renzella)博士は、「私たちは、AIを責任を持って創造的に使用するためのツールと知識を教師と生徒に提供したいと考えています。生成AI アクセラレータープログラムに参加することで、生成AIを抽象的な概念から引き出し、魅力的で実践的な学習体験を得られるものにします」と述べた。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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