オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)は6月10日、シンガポールと長年の関係を築き、革新的な科学技術を通じて、開放的で安定的で繁栄した地域を実現するというビジョンを共有していることを明らかにした。
6月に2025年シャングリラ会合に出席したオーストラリアのリチャード・マールズ(Richard Marles)副首相(左)とシンガポールのローレンス・ウォン(Lawrence Wong)首相
© デジタル開発・情報省 (出典:CSIRO)
シンガポールは、世界的なイノベーションリーダーとして急成長している。オーストラリアとシンガポールの協力は、経済成長を促し、環境への悪影響を減らすことが可能である。グローバルな変化の激動期において、オーストラリアがレジリエンスを高める最善の方法は、イノベーションへの投資と東南アジアの国々との科学協力である。科学やイノベーションにおける東南アジアとの交流は、オーストラリアの未来の経済、社会、環境にとって重要である。
2024年のグローバル・イノベーション・インデックス(GII)によると、シンガポールはGIIが最も高い国として評価され、初めて世界のトップに立った。オーストラリアは、このGIIにおいて、大学の質(3位)、科学出版物の影響(6位)、知識集約型雇用(9位)で高評価を受けている。
食料安全保障や温室効果ガス削減、プラスチック汚染といった複雑な課題への対応におけるオーストラリアの成功は、シンガポールのカウンターパートや東南アジアの近隣諸国とのパートナーシップの強さや幅広さと関係している。これらのパートナーシップは、オーストラリアに次のようなメリットをもたらす。
CSIROの国際イノベーションプログラムは、主要な市場やシンガポールのような戦略的な国家と共に、地域全体の利益のために科学協力を推進することである。科学・イノベーションにおいて、東南アジアとのパートナーシップを活用することは、単なる機会と捉えるだけではなく、安定的で繁栄した未来を実現するために経済的、社会的、環境的に不可欠である。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部