2025年07月
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シドニー大学の研究者、国際貿易モデル研究で国際賞を受賞 豪科学アカデミー

オーストラリア科学アカデミーは6月18日、オーストラリアのシドニー大学の研究者による国際貿易と持続可能な開発に関する研究が評価され、2025年のフロンティア・プラネット賞の国際優勝者の1人に選ばれたことを発表した。

フロンティア・プラネット賞は非営利のフロンティア研究財団が主催する地球の健康に関する科学的解決策に関する世界最大の科学賞だ。2025年はシドニー大学のアルニマ・マリク(Arunima Malik)准教授と、スウェーデンのザーラ・カランタリ(Zahra Kalantari)教授、米国のジア・メラビ(Zia Mehrabi)博士が受賞し、100万ドル(約150万豪ドル)が授与された。

マリク准教授が受賞した研究「国際貿易と持続可能な開発目標における二極化と均等化の傾向」は、貿易が持続可能性に及ぼす重大な世界的影響について分析したもので、学術誌Nature Sustainabilityに掲載された。研究では、ビッグデータモデリングを活用し国際貿易が経済成長を促進する一方で、環境や社会的コストを低所得国に転嫁し、グローバルな不平等を拡大させている現状明らかにし、従来の国際貿易モデルに疑問を投げかけている。マリク准教授は、「2030年の国連の持続可能な開発目標(SDGs)達成に向けて時間が限られている中で、私たちの研究は目標に影響を与える複数の相互に関連した要因に光を当てるものです」と語る。

オーストラリア科学アカデミーのチェンヌパティ・ジャガディッシュ(Chennupati Jagadish)会長は、「この受賞は、重要な持続可能性の課題に取り組むオーストラリアの研究が世界的に重要であることを強調するものです。マリク准教授の研究は、より公平で持続可能な未来を形作る上で科学が及ぼす影響を実証しています」と称賛した。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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