オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)は6月19日、地質学者が地球化学データを解釈し、金、リチウム、銅など新しい資源をターゲットとする追加探査プログラムを計画するのに役立つ新しいオンラインツール「LandScape+」をリリースしたと発表した。
(出典:CSIRO)
オーストラリアでは地表の多くが厚い土壌や砂層、砕けた岩石層に覆われており、下層に存在する鉱物を見つけるのは非常に困難だ。また、調査対象地が遠隔地に広がるため、地表を詳細に測量するのも難しい。
こうした課題に対処するため、CSIROは機械学習とリモートセンシング技術を活用したオンライン探査支援ツールLandScape+を開発した。このツールは30メートルの解像度で地形をマッピングできるため、大規模な地上観測の必要性が軽減される。さらに、地球化学データを統合することで、土壌調査の結果の解釈をより正確で迅速、かつ容易にする。
LandScape+は25~2000km2の範囲で地図を生成できるため、まだ調査されていないグリーンフィールドの鉱区評価を効率的に進めることができる。また、さまざまな地形にわたって珍しい土壌サンプルをハイライト表示する機能を持ち、鉱物探索者が状況に応じて検索することも可能となっている。
CSIROの上級研究科学者アニシア・ヘンネ(Anicia Henne)博士は「レゴリス層の解析は非常に困難で、地球化学的な結果を解釈するには時間がかかるとともに、専門知識が必要でした。そのプロセスを簡略化するためにLandScape+を開発しました」と述べた。
本ツールは、CSIROが開発するeXploration Toolkit(XT)の一部として位置づけられており、ユーザーはライセンス契約を通じてアクセスが可能となっている。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部