2025年07月
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革新的な研究への政府支援基金で過去最高の採択率 NZカンタベリー大学

ニュージーランドのカンタベリー大学(UC)は6月26日、ニュージーランド政府のビジネス・イノベーション・雇用省(MBIE)のエンデバー基金Smart Ideasラウンドにおいて、提出した14件中5件が採択され、35.7%という過去最高の成功率を達成したと発表した。

エンデバー基金は、ニュージーランドに多大な利益をもたらす可能性を秘めた、有望かつ革新的な研究アイデアを促進・迅速に検証することを目的とし、初期段階のハイリスク研究を支援することで、国の科学ポートフォリオの刷新と多様化を目指している。

今回のSmart Ideasラウンドでは、ニュージーランド国内から161件のプロポーザルが出され46件が採択された(採択率約28%)。国内平均採択率と比較して、UCの採択率が高いことは、UCで開発されている研究の深さと質がニュージーランドの抱える課題と関連していることを示している。

シェーン・レティ(Shane Reti)科学・革新・技術相は、「これらの研究は、現実の世界に影響を与えるものです。ニュージーランドにとって新たな経済的機会を創出しながら、国家的な課題に取り組むことを目指しています」と語る。UCからは以下の5つの研究プロジェクトが採択された。

  • 脊髄損傷後の方向性神経突起伸展のための3Dプリントバイオスキャフォールド
  • 気候変動へのレジリエンス向上に向けた次世代気候モデルの降水予測の最適化
  • 高活性低コスト電極:プラズマスプレーコーティング中の非自明な相互作用の活用
  • 光ファイバー技術による次世代火山監視
  • スマート輸送システム:車両のコネクティビティを活用した安全な避難

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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