「東アジアはイノベーション主導の成長モデルに移行を」世銀が報告書

世界銀行は2月23日、報告書「発展途上の東アジアに不可欠なイノベーション(The Innovation Imperative for Developing East Asia)」を発表した。報告書は、東アジアの10の中所得国として、カンボジア、中国、インドネシア、ラオス、マレーシア、モンゴル、ミャンマー、フィリピン、タイ、ベトナムを調査対象とし、「これら東アジア諸国における生産性向上と経済成長のためにはイノベーションが必要不可欠」と提言している。

報告書によると、東アジアの発展途上国は、これまで持続的な成長と貧困削減を達成してきた。ところが、生産性の鈍化やグローバルな貿易と技術の変化による成長エンジンへの試練が浮上。また、COVID-19パンデミックや気候変動のショックにより、新たな生産様式に移行する必要性が高まっている。

こうした課題を乗り越えつつ、高いレベルの経済パフォーマンスを維持するために、東アジア諸国はイノベーション主導の成長モデルに移行する必要があると指摘。そのうえで、東アジアを発展させるためには、次のポイントを提言している。

  1. ①イノベーションにおいて重視されがちな発明だけではなく、既存技術の普及と採用も促進する。
  2. ②各国政府は、製造業だけでなくサービス部門のイノベーションを支援する。
  3. ③企業のイノベーション能力構築に投資する。
  4. ④産学連携の研究を強化するためにインセンティブを付与する。

 

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