米FDA、台湾初の「ドラッグデリバリーシステム」抗がん剤の第Ⅰ相試験を承認

台湾国家衛生研究院の発表(3月15日付)によると、台湾で開発された新しい抗がん剤の候補薬「DBPR115」の第Ⅰ相臨床試験(治験)の開始について、米国食品医薬品局(FDA)が2021年1月15日、承認した。

低分子薬物複合体のDBPR115は、台湾国家衛生研究院「バイオテクノロジー製薬研究所」(IBPR)とタイベックス・セラピューテックス社によって開発。必要最低限の薬の量を適切な部位に届ける「ドラッグデリバリーシステム」の抗がん剤として、IBPRが初めて実用化を目指すものだ。

試験はオープンラベル(どの治験群に割り付けられたか医師、被験者ともに分かっている)の方式で、用量設定(薬の投与量をいくか用意する)の方法で行われ、患者に投与した際の安全性や薬物動態、効果、最大投与量を調べる。同時に、耐性や予備的な抗腫瘍活性も評価される。

DBPR115の特色は、独自の技術によりZn(Ⅱ)―ジピコリルアミン(Zn-DPA)と抗がん剤を結合させていることだ。この特許技術により、標的となる腫瘍部位への直接的な薬物の大量集積を促し、抗がん剤の治療効果が高まり、同時に薬物の投与量を減らし、結果的に薬物による副作用を大幅に緩和することが期待される。特許はいくつかの地域で申請されており、米国での特許は2016年7月に登録された。

IBPRは、アジアにおける革新的研究の中核となることを目指すミッションドリブン型の創薬開発機関。IBPRの新しい抗がん剤の初期研究は、台湾経済部の資金援助を受けて行われた。DBPR115は開発候補薬として選ばれ、2016年8月にタイベックス・セラピューテックス社に技術移転された。

治験薬の開発にかかわる台湾の経済部、国家衛生研究院などの関係者ら 写真提供:IBPR