1秒で結果が出る新型コロナ検査手法を開発 フロリダ大学と台湾交通大学

米国物理学協会出版部(AIP Publishing)は5月18日、米フロリダ大学(University of Florida)と台湾の交通大学の共同研究チームが、新型コロナウイルスの迅速で高感度なバイオセンサーを用いた検査装置を開発したと発表した。論文は、Journal of Vacuum Science & Technology Bに掲載された。

検査には、血糖値測定に用いる試験紙に似た細長いチップ型のセンサーを用いる。チップの先端にある小さなマイクロ流路には数本の電極が埋め込まれており、そのうち1本は表面を金でコーティングし、コロナウイルスの抗体を吸着させる。唾液や血液等の試料をつけたマイクロ流路チップを回路基板に接続すると、電極を通じて送信される電子信号を通じて、試料中のウイルスタンパク質(抗原)の濃度が判定され、結果が数値で表示される。

この検査の所要時間はわずか1秒以内で、既存のウイルス検出手法に比べ、はるかに短い。チップ型センサーは使い捨てだが、回路基板は再利用できるため、検査費用の削減にもつながる。

論文執筆者の1人、フロリダ大学化学工学部博士候補生のミンガン・シェン(Minghan Xian)氏は、この検査手法により、検査結果が出るまでの時間を短縮できると期待する。また、吸着させる抗体の種類を変えることで、他の疾患の検査への応用も可能だという。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

上へ戻る