尾部が決め手 アジアで新種の恐竜を発見

特徴的な尾を持つ大型恐竜「レッバキサウルス」の化石がウズベキスタンで発見された。この種の恐竜はアジアでは初めての発見となった。

AsianScientist - アジア初となるレッバキサウルスの発見は、尾部の化石の保存状態がよかったことから、恐竜研究の歴史に旋風が巻き起こっている。この発見はPLoS ONE誌で詳述され、太古の地球上での恐竜を明確に描き出している。

90年代に育った人々にとって「リトルフット」 (原題:Land Before Time)と言えば、アパトサウルスのリトルフットとその仲間たちが伝説のグレートバレーを探す冒険ものとして知られている。リトルフット(小さな足)は、その名に反して竜脚類に属し、ブラキオサウルスやブロントサウルスなど現在知られている最大級の恐竜を含む分類である。

現代のキリンに似ているが、進化上は無関係であり、巨木の葉を食するために長い首を持つ。その他の特徴としては尾が長く、レッバキサウルス科の仲間であるため、背中が棘に覆われていたことが挙げられる。

これまで、レッバキサウルス類の化石が南米、アフリカ、ヨーロッパ以外で見つかったことはなかった。しかし、ロシアとアメリカの研究者らによる驚くべき新発見は、レッバキサウルスがアジアにも生息していたことを示すものであった。具体的には、ウズベキスタンのキジルクム砂漠にあるビセティ層の岩層から化石が発見された。

「ジャラティタニス・キンギ 」(Dzharatitanis kingi:D. kingi)と名付けられたこの新種は当初、アジア大陸を闊歩していたことが知られている竜脚類の中でも最も大型で多様性に富むティタノサウルス類であると考えられていた。しかし、ロシア科学アカデミーのアレクサンダー・アヴェリアノフ (Alexander Averianov) 博士とアメリカのスミソニアン博物館のハンス・ディーター・スース (Hans-Dieter Sues) 博士が改めて研究したところ、別の見解に至った。

混乱の原因の一つは、尾骨と一緒に出てきたティタノサウルスのような鉛筆型の歯であった。研究者らはこの尾部を詳しく調べたところ、レッバキサウルス科に共通するいくつかの特徴を発見した。他の竜脚類とは異なり、尾の後端に隆起がなく、神経弓と呼ばれる部分に広い空洞があった。

これらの特徴から、アヴェリアノフ氏とスース氏はD. kingiを新種として認定した。また、尾骨の大きさから5階建てのビルの高さに相当する20メートルの背の高さがあったと考えられている。今回の化石は約9,000万年前のもので、これまでに発見されたレッバキサウルスの中では地質学的に最も新しいものの一つである。

今回の発見により、リバチサウルス類の分布区域は東へと広がりをみせた。著者らによれば、白亜紀の大部分はトルガイ海峡によってヨーロッパとアジアが隔てられていたが、陸続きであったために恐竜がアジアにも生息していた可能性があるという。

著者らは次のように結論づけている。

「レバッキサウルス科は、バレミア紀からトゥーロン紀の間にトルガイ海峡の陸橋を介して、ヨーロッパからアジアに分散した可能性がある」

「現在、ビセティ層の竜脚類は少なくとも2つの分類群、レッバキサウルス類のD.kingiと不確定なティタノサウルス類から構成されている」

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