高雄市で水中実験施設を備えた洋上風力発電の研究センターが起工

台湾経済部エネルギー局(Bureau of Energy, Ministry of Economic Affairs: MOEA)は、高雄市の海洋技術イノベーションセンター(Maritime Technology Innovation Center: MTIC)内に建設される洋上エンジニアリングセンター(Offshore Engineering Center)の起工式が4月27日に行われたと発表した。

同センターはさまざまな風や波、潮流等の条件を再現して実際の海洋環境をシミュレーションすることが可能な深海水槽(deep-water basin)型研究施設であり、洋上風力発電に関して次のような幅広い用途での利用を想定している。

  • 水中機器のテスト
  • 水中構造物の保守点検のシミュレーション
  • 潜水機の操縦訓練

台湾当局の洋上風力発電開発戦略に基づき、アジア太平洋地域での実験、トレーニング、研究開発の拠点として機能し、関連業界に500億台湾元(約2000億円)を超える経済効果をもたらすと期待されている。

再生可能エネルギーへの転換を推進するMOEAは、洋上風力発電に関しても2025年までに発電量5.7ギガワットを目標に、国内の関連産業や技術の開発を支援している。台湾の主要工業都市である高雄市は、サプライチェーンが充実し、港に面し交通の便が優れていること等から、洋上風力発電関連産業の開発拠点として高い潜在力を持つと期待されている。

MOEAは、中央当局と高雄市の連携を通じ、MTICは台湾南部の産業、政府、学術、研究のエネルギーを結びつけることができると述べている。これにより洋上風力発電に関する国内外の産業を誘致し、最終的に新たな海洋産業クラスターを形成することを目指すという。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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