警戒レベル引き上げで陽圧検査ブースを台北市などに移設 台湾、特許技術使用

台湾の工業技術研究院(ITRI)は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染拡大に伴う検査体制拡充のため、同院が開発した安全性の高い陽圧検査ブースを、台北市立総合医院中輿院区(Taipei City Hospital Zhongxing Branch)と剥皮寮(Bopiliao)地区の2カ所に設置した。発表は5月18日付。台北市と新北市でCOVID-19の警戒レベルが第3級に引き上げられたことを受けた経済部(Ministry of Economic Affairs)の要請によるもの。

従来、検体を採取する医療従事者にとって、分厚い防護服を着用しての長時間作業は大きな負担となってきた。

これに対し、この検査ブースでは特許取得済みの陽圧技術により、内部を10パスカル(Pa)の陽圧にして空気がブースの中から外へのみ流れる仕組み。このため、外気の侵入を防ぎ、検体採取者の感染リスクを低下させ、分厚い防護服も不要となった。しかもこのブースは、2つの側面から検体を採取することが可能で、1時間に12人以上、緊急時には1日240人程度へと大量の検査を処理できるようになった。

この他、ブース内を快適に保つ、省エネルギーの空調技術や、世界最高レベルの空気清浄度、迅速な組み立てが可能といった特長を持つ。

これらのブースは2020年にITRIが複数の医療機関と共同で開発し、台湾大学病院新竹バイオメディカルパーク分院(National Taiwan University Hospital Hsinchu Biomedical Park Branch)と馬偕紀念医院新竹分院(Mackay Memorial Hospital Hsinchu Branch)で既に使用されていたが、今回、クラスターの発生地域に近い 上記の2カ所に移設された。

ITRIは今後も経済部及び中央感染症指揮センター(Central Epidemic Command Center: CECC)と協力して感染拡大を防ぐための技術を提供していくとしている。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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