エジソン賞の金賞と銀賞、AI自動化倉庫と微生物染料に 台湾

台湾の工業技術研究院(ITRI)が開発した技術が、発明家トーマス・エジソンの功績にちなみ世界の革新的な技術や開発者に贈られる2021年のエジソン賞(Edison Awards)の金賞と銀賞をそれぞれ受賞した。発表は4月26日付。

「革新的サービス(Innovative Services)の「人工知能(AI)利用(AI Applications)」部門で、「AI-Based High-Density Shuttle Rack Service System」が金賞に選出された。これはAIを用いて自動化された垂直型倉庫システムで、14段まで荷物を格納し、倉庫のスペースを2倍以上節約できる。このシステムはヤフー台湾(Yahoo!Taiwan)が所有する台湾初のAI自動化物流センターに導入された。

「プライマー、塗料、染料(Primers, Coatings and Dyes)」部門で、微生物染料「MetabColor」が銀賞を受賞。これは遺伝子組換え微生物と発酵、分離、精製処理を用いて作られる天然染料で、化学染料に比べ環境への負担を抑えられる。ITRIは衣料品メーカーのエクラテキスタイル(Eclat Textile)や特殊化学品メーカーのジンテックスケミカル(Jintex Chemical)と協力してこの技術の事前検証を行ってきた。

ITRIのエドウィン・リウ(Edwin Liu)院長は、エジソン賞は革新的な研究開発成果の「実世界での利用」に重点を置いていると指摘し、「今回の受賞は、同院が推進する市場志向の研究と技術戦略ロードマップが世界的なトレンドに合致していることを示している」と語った。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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