新型コロナ感染の危機にどう対処したか 台湾・中央研究院が論文集出版

台湾の最高学術研究機関、中央研究院(Academia Sinica)が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する人文社会科学系の研究成果を集めた書籍『新型コロナウイルス感染症に関する省察(Reflections on COVID-19)』を出版した。7月15日付。

本書は人文社会科学系の研究者20名による19の論文で構成される。発起者であり共同編集者を務めた中央研究院近代史研究所のポール・R・カッツ(Paul R. Katz)特別研究員は、COVID-19は単なる病気ではなく、社会問題でもあると指摘し、「過去からの教訓が、新型コロナウイルス感染症の課題に適切に対応し、次のパンデミックに立ち向かうための方策を集めることに役立つ」と話す。

収録された論文の学問分野は社会学、政治学、経済学、歴史学、文学、哲学など広範囲にわたる。例えば社会学研究所のツァイ・ユーユエ(Tsai Yu-yueh)氏は28名の医療従事者に聞き取り調査を行い、スティグマや心理的プレッシャー、感染の危険にどのように対処したかを尋ねた。

歴史・文献学研究所のウー・ユーチュアン(Wu Yu-chuan)氏らは、1918年から1920年にかけて台湾で流行したスペインかぜを政策、公衆衛生、社会的影響の観点から考察した。本書にはウー氏らの論文を含め、過去の疫病流行の歴

史的研究に関する論文が7本収められている。

共同編集者の一人、チェン・シーユアン(Chen Hsi-yuan)氏は、急速に変化する感染状況の中で、本書が幅広い分野の研究を促進する足がかりとなることを期待していると述べた。

本書は台湾の主要なオンラインおよび実店舗の書店で販売される。また、本書の出版に先立ち、同名のWebサイトも公開された。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部