病因となる寄生生物はカワニナに乗り込む タイの研究者ら発表

東南アジアでは、寄生性扁形動物が生存と繁殖のために複数種のカワニナを宿主とし、公衆衛生に脅威を与えている。

AsianScientist - 寄生性扁形動物は、ウーバーの配車サービスを利用するよりも、カワニナに乗ること好んでいる。これは国際研究チームが発見した。調査結果は 学術誌 Zoosystematics and Evolution に掲載され、病気の原因となる扁形動物が東南アジアの数種のカワニナを最初の中間宿主としていることを確認した。

巻き貝のカワニナはStenomelania属に属し、インドから西太平洋の島嶼部の汽水域(淡水と海水がまじりあっている衰期)やその近くで見られる。トランペットスネール(trumpet snail)というその英名が示すように、すべてのカワニナは細長い先のとがった殻を備えているため、残念ながらStenomelania属のカワニナと親戚筋のカワニナとを区別するのは難しい。

やっかいなことに、カワニナについて科学的に分かっていることは他にほとんどない。分かっていることは、カワニナに付着した寄生生物が感染を引き起こし、それが東南アジアの主な公衆衛生問題となっているということだけである。人間も動物も、感染したカワニナを摂取した魚を生で食べたり、不適切に調理されたものを食べることで感染する可能性がある。

「吸虫感染は、第1・第2中間宿主種の存在にも依存し、タイでは腸や肝臓に見られる吸虫など寄生生物の風土病の蔓延の原因となっています」と著者らは説明する。

寄生虫に関する情報をさらに収集するために、タイのシラパコーン大学のキチャ・アピラクセナ (Kitja Apiraksena) 教授が率いるタイとドイツの研究者チームは、合計1,551のStenomelania属のカワニナを収集し、調査した。タイ南部の海岸線近くの小川や川から4種のカワニナが採集された。集められカワニナのうち、10匹が吸虫に感染していた。

寄生生物は調査された場所のうち7つで発見され、3つの異なる種に属していた。これらはすべて、クラビ州で見つかることが分かった。アンダマン海沿岸に沿った水の流れはモンスーンの季節の影響を受ける。このため、研究者らは寄生生物の存在は海流の循環に関連しているかもしれないと考えている。

著者らは分かったことを検討し、生物多様性とカワニナの生態学をさらに詳しく調べ、そのような食品媒介寄生虫病からの罹患率を減らそうと努力している。

「この発見は、寄生虫病が熱帯医学ではまだほとんど考慮されていないことを意味します。そのため、タイのカワニナが存在している場所で、さまざまな吸虫媒介性疾患の有病率についてさらに研究を行う必要があります」
著者らはこのように締めくくった。