東南アジアで森林破壊加速、炭素備蓄量が減少

近年、東南アジアでは森林伐採が高地に移動するにつれて、炭素備蓄量が急速に失われつつある。

AsianScientist - 東南アジアの山々はかつて森林に覆われていた。だが過去10年間で裸山が増えてきたため、毎年4億トンを超える炭素が排出されている。この調査結果は学術誌Nature Sustainabilityに掲載された。

強力な熱波から激しい嵐まで、地球は悪化する気候変動の影響を受け不安定な状態が続いている。さまざまな形態の環境被害の中でも主な原因は森林消失であり、世界的な持続可能性への取り組みに壊滅的な打撃を与えている。

森林は生物多様性に満ちているだけでなく、大気から過剰な二酸化炭素(CO2)を吸い込み、炭素を蓄える重要な貯蔵庫となっている。森林破壊は、多くの場合、広範囲にわたる生息地と種の喪失につながるだけでなく、備蓄された炭素を大気中に放出し、現在と将来にわたり気候復元力を損なう。

すべての熱帯山林の約半分は東南アジアにあり、世界中の炭素の相当な量を貯蔵している。しかし、最近の国際的な調査から、近年、この地域ではかつてない量の森林が根こそぎにされ、伐採され、その範囲は低地の森林から高地に拡大していることが明らかになった。

中国の南方科技大学のジェンジョン・ゼン (Zhenzhong Zeng) 准教授が率いるチームは高解像度の衛星データを分析し、2001年以降、東南アジアで年間平均322万ヘクタールの森林が失われていることを発見した。さらに驚くべきことに、これらの森林の3分の1は 山岳地帯のものだった。

2000年代初頭、森林伐採活動は主に低地地域に限定され、農業活動のための場を作ってきた。しかし、2010年前後にこの地域で新しい植林地が優先されたため、高地や急斜面では、森林に覆われた山々を乱伐採から守ることができなくなった。

研究者は、森林消失が加速し高地に拡大するにつれて、炭素排出量が同様に増加したことを報告した。データは年間4億2400万トンの炭素備蓄量が失われていることを示す。森林の炭素備蓄量のマップから、低地の森林伐採地からの炭素排出量は2010年代に減少したものの、同じ期間に山岳森林地帯の炭素備蓄量は急速に失われたことが明らかになった。

現在、多くの地球システムモデルと気候評価技術は山岳地帯と低地の森林消失を区別できないため、科学者はこれらのことを知ることはできなかった。チームにとって、このように懸念される結果は、警告信号のリストを増やし続け、自然破壊と気候変動に対する行動を促すものである。

「この知識は、残された森林が将来、消失するのを減らす戦略を策定するのに役立ちます。森林には大気中の二酸化炭素の吸収や生物多様性の保全など、貴重な生態系を維持する優れた能力があります」と著者らは締めくくった。