マグサイサイ賞、バングラデシュのカドリ博士に コレラワクチン開発に貢献

バングラデシュの国際下痢性疾患研究センター(icddr,b)は、コレラワクチン分野の世界的第一人者であるワクチン科学者のフィルドウスィー・カドリ(Firdausi Qadri) 博士が、コレラと腸チフスとの戦いへの貢献により、アジアのノーベル賞と評されるラモン・マグサイサイ賞を受賞したことを発表した。8月31日付。

カドリ博士(提供:ラモン・マグサイサイ賞財団)

バングラデシュ国籍のカドリ博士は1988年から、安全な水や衛生設備、教育、医療へのアクセスが不十分な環境にあるバングラデシュをはじめ、アジア・アフリカ諸国の主要疾患であるコレラや腸チフスとの闘いに挑み続けてきた。博士はまた、コレラワクチン分野の巨人の1人として卓越しており、経口コレラワクチン(OCV)の臨床開発、評価、世界的な導入および提唱のあらゆる段階で極めて重要な役割を果たしてきた。

カドリ博士はこれまで、

  • 腸チフス結合型ワクチン(Vi-TCV)の開発
  • 世界保健機関(WHO)と国連児童基金(ユニセフ)の支援下で、ロヒンギャ難民に対するOCV大規模接種
  • 2020年、ダッカ市の高リスク地域で120万人のOCVワクチン接種
  • 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のワクチン試験と検査・研究

に携わり、途上国の公衆衛生に貢献してきた。

また、次世代の特に女性の科学者のための人的および物理的インフラストラクチャを構築するというビジョンをもち、バングラデシュの研究に貢献してきた。

カドリ博士は、2020年のロレアル-ユネスコ女性科学賞の受賞者でもあり、早期診断と世界的な予防接種を提唱し、発展途上国の子供たちに影響を与える感染症の理解と予防に取り組んでいる。また、感染性腸疾患の研究により、2012年にクリストフ・エ・ロドルフ・メリュー(Christophe et Rodolphe Mérieux)財団の科学大賞も受賞している。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部