次世代化合物半導体の共同開発で英社と合意 台湾ITRI

台湾の工業技術研究院(ITRI)は、産業用・研究用の先端技術製品を製造する英国の企業オックスフォード・インスツルメンツ(Oxford Instruments)と、次世代の化合物半導体の開発に関する共同研究プロジェクトを実施することで合意した。9月24日に発表した。このプロジェクトは、双方の研究開発能力を強化するとともに、世界市場への進出に向け、台湾の化合物半導体の供給網を確立するための基盤になると期待されている。

台湾のITRIと英オックスフォード・インスツルメンツとのオンライン会合 (提供:ITRI)

ITRIを管轄する台湾経済部(MOEA)は、極超短波(ultra-high frequency: UHF)関連の基幹技術を開発する台湾の製造業者を積極的に支援し、台湾企業と海外のパートナーとの連携の促進にも力を入れている。

オックスフォード・インスツルメンツ社のCEO、イアン・バークシャー(Ian Barkshire)氏は、今回の共同プロジェクトを通じて、双方がイノベーション、技術、エンドマーケットに関する知識を統合し、より環境に優しくコネクテッドな社会を実現するための半導体や電源デバイスの開発を促進できるだろうと語った。

これに対し、ITRIの電子・光電子工学システム研究所のウー・チーイー(Chih-I Wu)所長は、ITRIが高周波通信用の窒化ガリウム(GaN)を開発していることに言及し、「今回の共同研究は、GaNを用いた高電子移動度トランジスタ(High Electron Mobility Transistor: HEMT)の構成部品の歩留まりを改善することにつながる」と述べた。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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