空気汚染で子供たちの健康に悪影響、ダッカの事例などを懸念 スタンフォード大学発表

空気汚染が子供たちの呼吸器感染症の要因であることは知られているが、成長期の子供達にどのような悪影響を与えるかは詳細にわかっていない。米スタンフォード大学ウッズ環境研究所は、特定産業がおそらく問題の大きな原因であることを、学術誌Environmental Pollutionに発表した。

バングラデシュ・ダッカの住人にとって空気汚染は生活の一部であり、石炭を燃焼するレンガ窯が稼働する冬にはなおさらである。特に懸念されるのは、幅2.5マイクロメートル以下の浮遊粒子であるPM2.5である。肺の中に入ると炎症を引き起こし、感染に対抗する体の機能を損なう可能性がある。異なる発生源からの粒子は様々で、PM2.5のどの成分が最も有害であるかは特定されていない。

研究者らは長期的なPM2.5モニタリングデータを分析した。そこで空気1立法メートルあたりで10マイクログラムPM2.5が増加するごとに、5歳未満の子供の肺炎発生率が3.2%増加することを発見した。ダッカのPM2.5のひどいレベルは、世界保健機関(WHO)の基準よりも3倍以上高かった。

以前の研究では、バイオマス燃焼が屋外のPM2.5レベルに最も影響し、次にレンガ窯の排出と土壌粉塵が続くことがわかった。しかし、レンガ窯が通常より多くPM2.5を空気に混合した日には、PM2.5と子供たちの肺炎の関連性が強まった。

調査結果は、空気汚染に悩まされ世界中の40%以上の肺炎が起きている東南アジアにおける、空気伝達の微粒子と子供たちの健康の関係を明らかにする。PM2.5の増加に関連する肺炎による入院は、以前の推定値の約2倍であり、外来通院の推定値は約10倍である。

地域社会と政策決定者は、この調査によって初めてレンガ窯が子供の健康に測定可能な影響を及ぼすことを理解できよう。レンガ窯やその他の発生源からの微粒子が健康に及ぼす影響を調査することにより、世界中の健康と環境への介入に役立つことになる。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部