コロナの抗体カクテル療法で使用可能なキメラ抗体を開発 台湾・中央研究院

台湾の中央研究院(Academia Sinica)は10月22日、ハンチュン・ウー(Han-Chung Wu)教授が率いる新型コロナウイルス感染症(COVID-19)研究グループが、スパイクタンパク質の受容体結合領域(receptor-binding domain: RBD)に結合することで新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)を中和する一連のキメラ抗体を作成したと発表した。研究成果は医学雑誌 PLoS Pathogens に発表された。

これらの抗体から2つを組み合わせたカクテル療法は、動物モデルにおいて、ウイルス感染と疾患の進行を軽減させる優れた効果を示した。

今回の研究では、まずマウスの融合細胞(hybridoma)技術を用いてSARS-CoV-2のスパイクタンパク質RBDに対する多数の抗体候補を作成した。その後、これらのマウスモノクローナル抗体の一部(RBD-chAb-1、-15、-25、-28、-45、-51の6種類を含む)を、結合活性と生物学的機能を維持しながらヒト化することに成功した。

ウー教授は、「SARS-CoV-2は変異発生が速く、こうした変異の一部はワクチンや中和抗体への耐性を持つ可能性がある。今回の研究では、SARS-CoV-2変異の疑似ウイルス(pseudovirus)を使用して、開発したRBDキメラ抗体(RBD-chAb)が、英国型や南アフリカ型、ブラジル型等のよく見られる変異株に対して高い中和能力を維持することを確認した」と述べ、「抗体カクテル療法は、薬剤耐性を持つSARS-CoV-2変異の拡大を防ぐうえで有用なことが多い」と抗体を組み合わせることの重要性を強調した。

ウー教授によると、上記6つの抗体はすべて、さまざまなSARS-CoV-2変異株に対する抗体カクテル療法の作成に使用できるという。より感染力の強い変異株が出現している中、こうした抗体カクテル療法は、疾患をコントロールし、薬剤耐性を持つ変異株の出現を抑えるうえで重要となる。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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