台湾の科技部(MOST)は11月10日、同部が支援する「人為起源の気候変動:分析、能力向上、CMIP6への参加(Anthropogenic Climate Change: Analysis, Capacity advancement, and CMIP6 participation:ACC2)」プロジェクトが、第6次結合モデル相互比較プロジェクト(CMIP6)に「台湾」として参加したと発表した。
領域規模の変動と地域への影響を評価することは、気候変動に関する喫緊の課題の1つである。
科技部は2011年に気候モデル開発プロジェクトを立ち上げ、「台湾地球システムモデル(TaiESM)」(解像度100 km)と「高解像度大気モデル(HiRAM、解像度25 km/50 km)」を導入し、超高解像度の「領域気象モデル」(WRF、解像度3~5 km)と結合することで、全球から領域を包括する気候モデルシステムを構築した。このシステムは、東アジアのモンスーンに対する気候変動の影響や台湾の影響力の大きい気象現象の評価に用いられている。
また、科技部の気候変動開発チームは、HiRAMとWRFを用いて市町村規模の気候変動を予測するプロジェクトにも取り組んでいるという。
TaiESMは、地球規模の気候シミュレーション・予測において台湾のシミュレーションデータを国際研究機関に提供するために使用されており、複数の性能指標に基づく評価でも、世界の37の気候モデルの中で、日本の気象庁気象研究所のモデルと並び8位にランクインしている。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部