インメモリコンピューティングの性能で世界記録樹立 台湾、半導体回路の学会で発表

台湾の国立陽明交通大学(NYCU)は、同大学の研究チームが、半導体回路の国際学会「米国電気電子学会(IEEE)アジア固体回路会議(IEEE Asian Solid State Circuits Conference)」で、インメモリコンピューティング(in-memory computing)の性能で世界記録を樹立したと発表した。2021年10月27日付。

インメモリコンピューティングは、人間の脳のように記憶装置と演算機能を一体化することで大量のデータを迅速に処理する技術であり、高性能・低消費電力の人工知能(AI)を実現するための鍵となる。

世界記録を樹立したホウ教授(右から3人目)ら研究チーム(写真提供:いずれもNYCU)

長年インメモリコンピューティング技術を研究してきたNYCUのトゥオハン・ホウ(Tuo-Hung Hou)教授が率いる研究チームは、工業技術研究院(ITRI)と共同で、28ナノメートルプロセス技術を用いて製造した3値畳み込みニューラルネットワーク(ternary convolution neural network)アクセラレータチップを発表した。

このチップは消費電力1ワット当たりの処理速度で2万943 TOPS(1秒当たり2京回以上のAI演算を実行可能)を達成した。これは従来の最先端技術の3.7倍に相当し、面積効率も4.5倍高い。現在、チームは、高精度な音声キーワード認識能力を持つこのチップを、インテリジェントなBluetoothイヤホン等の製品に応用することを検討している。

ホウ教授は、「コンピューティングハードウェアの性能はAIの大きなボトルネックの1つであったが、人間の脳に匹敵する効率性を持つAIコンピューティングハードウェアの実現も夢ではなくなった」と語った。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部