低コスト・高精度なシリコンフォトニクス光ファイバジャイロチップ開発を支援 台湾科技部

台湾の科技部(MOST)は、シリコンフォトニクス(Si photonics)を用いた画期的な光ファイバジャイロスコープ(fiber optical gyroscope)チップの開発を支援していると発表した。2021年12月22日付。

台湾の中山大学(NSYSU)のイージェン・チウ(Yi-jen Chiu)教授が率いる研究チームは4年前よりMOSTの出資を受け、チップサイズを縮小するとともに角速度の検知能力を大幅に向上する新たな光・電気回路設計を用いた集積シリコンフォトニクスチップを開発した。この新たなチップは、軍事戦術レベルのセンシング能力(バイアス不安定性0.158度/時)を達成した。

そのうえ、従来の干渉型(interferometer)光ファイバジャイロスコープに比べ、コストを約3分の1削減できる。さらに、従来のジャイロ素子以外にもさまざまなセンシング・構成機能をミリメートルサイズのチップに搭載できるため、例えば光センサーとスタビライザーを備えた無人車両や航空カメラに利用できる可能性がある。また、生物工学や自動運転車、ロボット、ナビゲーション、小型衛星のキューブサット(CubeSat)等の消費者向け製品にも応用できるという。

干渉型光ファイバジャイロスコープは航空、軍事、潜水機、無人車両等のナビゲーションシステムに欠かせない角速度検知機能を提供しているが、従来のリングレーザージャイロスコープ(Ring laser gyroscope)や半球型共振ジャイロスコープ(hemispherical resonant gyroscope)は組み立てに繊細な技術を要し、高価である。

一方、半導体ファウンドリで製造される微小電気機械(microelectromechanical system: MEMS)ジャイロスコープは大量生産が可能であるが、精度が低い欠点がある。光集積技術におけるシリコンフォトニクス技術の導入は、次世代のジャイロスコープや関連技術につながると期待される。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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