台湾の工業技術研究院(ITRI)は、経済部(MOEA)技術局(DoIT)の支援を受け、「異種統合チップレットシステムパッケージ連盟(Heterogeneous Integration Chip-let System Package Alliance:Hi-CHIP)」を設立したと発表した。2021年12月28日付。
人工知能(AI)や5Gの進化によりハイエンド半導体への需要が高まっている状況を受け、パッケージ設計からテスト・検証、試験生産までを包括するエコシステムの構築を支援し、サプライチェーン(供給網)の現地化(localization)やビジネス機会の拡大を目指す。
(提供:ITRI)
DoITによると、異種チップ統合プロセスの開発意欲が世界的に高まっているが、このプロセスに必要とされる多品種少量生産を実現するための効果的な方法が存在しない。Hi-CHIPは、製品化を加速するための試作プラットフォームを関連企業に提供する。
同連盟の会長を務めるITRIのチーイー・ウー(Chih-I Wu)博士は、複数のチップを小型化されたパッケージに集積(システム・イン・パッケージ)する際、チップレットを用いたアプローチにより、コストを削減しつつ放熱や信号カスケーディング(signal cascading)等の課題に対処できる可能性があると語る。また、多次元のチップ設計と異種統合パッケージは半導体業界の発展の鍵になると強調する。
Hi-CHIPのメンバーには現在、台湾の大手半導体企業が含まれる。将来的には、カスタム生産や工程能力の増強等、市場競争力の強化に向けたサプライチェーンとの連携を視野に入れている。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部