台湾経済部(MOEA)傘下の工業技術研究院(ITRI)は1月28日、米国の南カリフォルニア大学(USC)と、ICの設計・開発、IPのサポート、シリコンシャトルサービスに関する提携を開始すると発表した。異種統合(heterogeneous integration)、コンピューティング、メモリ関連技術の強化を通じて、学際的な研究開発の成果を統合し、次世代半導体の開発に向けてチップ製造の発展が期待される。
ITRI と USCのオンライン会議 (提供:ITRI)
USCのMetal Oxide Semiconductor Implementation Service(MOSISサービス)は、長年シリコンの試作や少量生産サービスを提供しており、世界最大の半導体受託生産会社である台湾積体電路製造(Taiwan Semiconductor Manufacturing Company:TSMC)等の大手ファウンドリとも提携する。一方ITRIは、先端半導体技術の開発や台湾の半導体サプライチェーンの支援や半導体製品の最適化に力を入れている。今回の提携は、米国の主要チップパートナーを結び付け、AIコンピューティングの利用に関する世界のトレンドに対応することにつながると期待されている。
ITRIのエドウィン・リウ(Edwin Liu)院長は、今回のパートナーシップにより、ITRIの学際的な研究開発基盤と、MOSISの試作能力を活用した新たな機会が生まれることを楽しみにしていると述べた。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部