幹細胞生産の自動化量産技術で京大iPS細胞研究財団と共同開発 台湾NYCU

台湾の陽明交通大学(NYCU)は1月26日、ノーベル生理学・医学賞受賞者の山中伸弥教授が理事長を務める京都大学iPS細胞研究財団(CiRA Foundation)と、幹細胞の作製過程の自動化に関する共同研究契約を締結したと発表した。

NYCUは2年前に京都大学iPS細胞研究所(CiRA)との間で了解覚書(memorandum of understanding: MOU)を取り交わして以降、同研究所と協力して幹細胞加工技術を前進させてきた。今回の契約の下、iPS細胞研究財団は、2022年前半に研究者をNYCUに派遣し、幹細胞加工自動化技術の開発と国際基準であるPIC/S GMPへの対応に向けた幹細胞生産能力の強化に共同で取り組むことを計画している。

台湾側と共同研究契約を締結した山中伸弥氏(左から2人目)ら (提供:NYCU)

生物医学分野において幹細胞の可能性は広く認識されているものの、先端プロセスを用いて高品質な幹細胞を自動化量産する方法は課題として残されている。

NYCUのズーハオ・チェン(Tzu-Hao Cheng)副学長は「最先端の半導体製造プロセスを幹細胞加工に利用し、国際ガイドラインに沿った加工基準を確立できると考えている。最終的には幹細胞を効果的に量産し、より多くの人々が再生医療の恩恵を受けられるようにしたい」と語った。

山中教授は「特に新型コロナウイルスのパンデミック下においては、1つの研究成果を実用化するには、複数の国や領域にまたがる密な協力が不可欠であると強く感じている。今後、NYCUとより密に連携し、国際的に実装できる技術を開発したい」と語った。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部