次世代磁気ランダムアクセスメモリ(MRAM)を研究開発 台湾ITRI と米UCLA

台湾の工業技術研究院(ITRI)は3月3日、米カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)と、電圧制御磁気ランダムアクセスメモリ(Voltage Control Magnetic Random Access Memory:VC-MRAM)の共同研究開発プロジェクトに署名したと発表した。

チップがますます小型化するなか、高性能な磁気ランダムアクセスメモリ(MRAM)技術の開発が本格化している。

今回のプロジェクトは台湾の経済部技術局(DoIT)、経済部(MOEA)、米国の国防高等研究計画局(DARPA)の支援の下で、ITRIとUCLAの技術的専門性とイノベーション能力を高め、コンピューティングとストレージを実行できるメモリチップを構築することを目的としている。

(提供:ITRI)

ITRIとUCLAは、ITRIのスピン軌道トルク(Spin-Orbit Torque:SOT)MRAM技術の研究開発実績に基づき、VC-MRAMの共同開発に取り組む。VC-MRAMはSOT-MRAMよりも書き込みが50%高速でエネルギー消費量が75%少ないため、AIoT(AIとIoTの組み合わせ)や自動車産業への利用に最適と考えられている。今回のプロジェクトは、新たなメモリ技術の研究開発と産業化を加速し、企業による最先端製造工程の早期導入を後押しすると期待されている。

UCLAのスダカル・パマルティ(Sudhakar Pamarti)教授は、2023年初頭までには、この共同プロジェクトを通じて開発された先進技術が、次世代メモリの新たなパラダイムを作るだろうと語った。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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