台湾の工業技術研究院(ITRI)は、省エネルギー性能を備えた5G Open RANプライベートネットワークソリューションを、移動体通信技術見本市「モバイル・ワールド・コングレス(MWC)」(スペイン・バルセロナで2月28日~3月3日に開催)にオンラインで出展した。台湾の電子機器製造企業ペガトロン(Pegatron)と共同開発したものだ。
台湾の経済部(MOEA)は5G業界で炭素排出削減に関する新たなビジネス機会が求められている傾向を踏まえ、国家の技術戦略の一環としてITRIによる省エネ5Gプライベートネットワーク技術の開発を支援してきた。
今回発表のソリューションは、スマートなアルゴリズムとネットワークトラフィック監視・トラフィックステアリング(traffic steering)技術を組み合わせ、5G基地局がスマートで省エネ性能に優れ、中断のないサービスの提供を可能にする。
(提供:ITRI)
ITRI情報通信研究所(Information and Communications Research Laboratories)所長代理 のパンガン・ティン(Pang-An Ting)博士は今回展示のソリューションについて、台湾初のスマート基地局ネットワーク管理システムに基づいているとし、プライベートネットワークの迅速な展開と効率的な管理を可能にし、スマートな工場(スマートファクトリー)や病院、娯楽施設で利用できると語った。
このソリューションは、5G基地局100局を用いるスマートファクトリーのプライベートネットワークの電力消費を1万2,750キロワット時(kWh)節約できると見込まれている。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部