AsianScientist-ジェンスクリプト(GenScript)社の新しい施設は、アジア太平洋地域の科学者への支援を強化する。納期は短縮され、地域のコラボレーションが実現する。
国際的なバイオテクノロジー企業であるジェンスクリプト・バイオテック・コーポレーション(GenScript Biotech Corporation)社は2月10日、シンガポールにタンパク質と遺伝子の製造施設を新しく開設した。これは、同社にとって米国と中国以外で、最初の生産施設となる。
シンガポールの科学者らが新しい治療薬、医薬品、ワクチンを開発できるよう、1,500万米ドル(約18億円)を費やして完成した2,800平方メートルの施設が、組換えタンパク質を製造し、遺伝子を合成する。地域に存在することで、ジェンスクリプトはより迅速かつ確実に製品を提供できるようになる。
ジェンスクリプト社のアジア太平洋部門社長であるジョンソン・ワン (Johnson Wang) 氏は開設に際して、「当社の新しい製造施設は、最先端の設備を利用して、バイオ医薬品の橋渡し研究の重要な要素をハイスループット方式で生産します」と表明した。
すでに稼働しているこの工場は現在約50人のスタッフを雇用しており、さらに100人の地元の科学者を雇用すると見込まれている。この雇用には検査技師、科学者、およびロジスティクス担当者などが含まれる。
ジェンスクリプト社は新しい施設の開設前から、すでにシンガポールの研究とヘルスケア分野で重要な役割を果たしてきた。事実、ジェンスクリプトは新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックの間、デューク-シンガポール国立大学医科大学(Duke-NUS Medical School)、およびシンガポール科学技術研究庁 (A * STAR) の診断開発ハブ(DxDハブ)と協力して、COVID-19の最初の中和抗体テストキットを開発し、製造した。
このような貴重な関係をさらに強化することを目指して、ジェンスクリプトとDxDハブは、新たな施設の立ち上げイベントで覚書を締結した。双方は地元の医療技術者の育成から診断キットの製造まで、さらに協働を行うことに合意した。
施設の開所式で来賓として招かれたアルビン・タン (Alvin Tan) 国務相は「企業は、シンガポールの豊富な人材、強力なIP保護、頑強な製造能力、活発な基礎研究、イノベーションエコシステムに魅了されています」とし、「それらの存在は、私たちの生物医学エコシステムの成長を一層強化にし、推進します」とあいさつした。