米韓は技術協力拡大で同盟関係を強化 新アメリカ安全保障センターが報告書『Digital Allies』公表

米国の新アメリカ安全保障センター(Center for a New American Security)は米国と韓国が、技術とイノベーションでの協力拡大を通じて同盟関係を強化する方法について報告書『Digital Allies』にまとめて公表した。3月22日付。

著者らは冒頭で以下のように述べている。

技術の急速な進化は、21世紀の地政学・地経学を特徴づける重要な側面となっている。米国と韓国は、従来の同盟関係の中心にあった安全保障上の脅威だけでなく、より広範な共通の課題や機会への対応に向けて同盟関係を深め、広げようとしており、こうした目的の達成に向けては、経済成長のための技術がますます重要になっていることを認識している。同盟関係の強化を通じた技術面での協調手段は模索されはじめたばかりだが、両国の間には、数十年にわたる経済・貿易関係という基盤がある。技術的課題は米バイデン政権と韓国の文政権の政策基盤の中核を成している。

米韓の技術協力を強化するには協議上の枠組みに加え、部門ごと、課題ごとの二国間の相互関係を評価する必要がある。両国は半導体、通信、先進バッテリー等、現在の世界経済の基礎を成す多くの技術で先導的役割を担っている。人工知能(AI)や量子コンピューティング等の新興分野における協力は、技術躍進を通じた生活水準の向上だけでなく、自由民主主義の原則に沿った統治規範の推進につながりうる。

この報告書は主に以下を論じた4つの章から成る。

  1. 1. 米韓同盟のより広い文脈における技術協力の役割
  2. 2. 重要な技術領域(半導体、次世代通信、バッテリー等 )における部門ごとの協力の現状
  3. 3. 両国のインド太平洋政策に共通する技術的支柱
  4. 4. 政策立案者に向けた、米韓の技術協力を促進するための推奨事項

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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