電荷移動超分子のエレクトレットで次世代有機フォトニクスメモリ材料を開発 台湾

台湾大学(NTU)の研究チームは電荷移動に基づく超分子エレクトレットを用いて、高性能な次世代有機フォトニクスメモリデバイスを実現できる材料を開発した。3月11日付発表。

ウェンチャン・チェン(Wen-Chang Chen)教授の研究チームは、電荷移動超分子を電荷蓄積用の光応答性エレクトレットとして効果的に形成する供与体-受容体(donor-acceptor)型構造を用いてこの材料を開発した。このエレクトレットを使ったメモリデバイスは複数の波長帯(multiband)での光応答性と、高いメモリon/off比を示した。

フォトニクスメモリは、人工網膜の画像同定や生体材料と組み合わせたウェアラブルデバイス等、多岐にわたる用途に活用できると期待されている。

有機光電子デバイスは低コストで大量生産できる可能性があることから盛んに研究されているが、電圧に関する制約と安定性が課題であった。今回の研究成果は、電荷移動超分子を有機フォトニクス電解効果トランジスタ(FET)メモリデバイスに用いるというブレイクスルーにより、光電子デバイスの利用における新境地を開いた。

この研究は台湾教育部(MOE)と科技部(MOST)の助成を受けて実施され、研究成果は2021年10月に科学誌 Advanced Functional Materials に掲載された。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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