3Dプリントの骨インプラント、糖尿病性網膜症のAI診断に2022年エジソン賞 台湾ITRI

台湾の工業技術研究院(ITRI)は4月25日、2022年のエジソン賞(Edison Awards)(4月21日発表)で、同院の3Dプリントを用いた骨インプラント「BioMS-Ti」と人工知能(AI)を用いた糖尿病性網膜症診断システム「Portable Edge AI-DR」が科学・医療部門の銀賞と銅賞を獲得したと発表した。

エジソン賞は1987年に創設され、革新的な新製品やサービス、ビジネスリーダーを評価する世界で最も権威あるイノベーション賞の1つである。同院がエジソン賞を受賞するのは6回目となる。2022年の他の受賞者には3M、アボット、ダウ、IBM等の大手企業が含まれる。

エジソン賞のフランク・ボナフィリア(Frank Bonafilia)事務局長は、「ITRIは多数の分野でイノベーションを継続しており、そのペースは他の候補者を大きく上回っている」とコメントした。

BioMS-Tiは3Dプリントで作製される生体工学に基づく(bionic)骨格構造であり、整形外科や歯科、美容医療等のインプラントとして利用できる。個々の患者に合わせて設計でき、より迅速な骨の再生や組織結合(tissue integration)を可能にする。

エジソン賞を受賞した骨インプラント「BioMS-Ti」(上)と糖尿病性網膜症診断システム「Portable Edge AI-DR」(下)
(提供:ITRI)

Portable Edge AI-DRはAIを活用して糖尿病性網膜症の4つの主な病変を検出し、5つの重症度に分類する。持ち運び可能なデバイスであり、糖尿病性網膜症の早期診断や、患者の来院頻度の軽減に役立つ可能性がある。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

上へ戻る