両親媒性集合体を用いた酵素電極...バイオ燃料電池の性能向上 韓・米の科学者ら

韓国と米国の科学者らが、両親媒性集合体(amphiphilic assembly)を用いた酵素電極の設計により、バイオ燃料電池の性能を高める方法を開発した。米国物理学協会出版部(AIP Publishing)が5月26日に伝えた。研究成果は学術誌 Applied Physics Reviews に発表された。

酵素電極を用いたバイオ燃料電池は温和な条件下で生化学的エネルギーを電気に変換できるため、さまざまなバイオエレクトロニクス・デバイスの電力源として期待されている。

しかし、大部分のバイオ燃料電池には、酵素・電極間または酵素間の電子移動性能の低さが原因で、出力が小さく、長期的な安定性に欠けるという弱点がある。こうした電子移動の問題はバイオ燃料電池を含むあらゆる電気化学センサーの性能と密接に関係している。

今回の研究では、電極触媒間で好ましい界面相互作用を生じさせ、電極の電子移動反応速度を大幅に向上させる設計手法により、高出力で安定性の高いハイブリッド型のバイオ燃料電池を作製した。

論文著者のクウォン・チョンフン(Kwon Cheong Hoon)氏は「酵素固定化に対する一般的な見方を覆すこの両親媒性集合体を用いた電極設計は、酵素間および酵素・電極間の電子移動を最大化しながら高い動作安定性を実現し、ナノ材料を混ぜた(nanoblended)完璧な酵素層を形成させる」と語った。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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