「インドの競争力のための新たな課題」―米国で「南アジアイニシアティブ」の設立会議開催

米スタンフォード大学ショレンスタインアジア太平洋研究センター(APARC)は、「南アジアイニシアティブ(South Asia Initiative)」の設立会議を5月6日に開催し、公共・民間両部門の専門家らと、インドの国家安全保障において新たな技術が果たす役割や米国・インド間の協力への道筋を議論した。

今回の会議は「インドの競争力のための新たな課題(A New Agenda for Indian Competitiveness)」をテーマに開催された。インドと中国との間で激化している戦略的競争は、インドの国家安全保障のみならずインド太平洋地域の国際システムの性質にも影響を及ぼす可能性があり、その状況を大きく左右すると思われるのが人工知能(AI)やバイオテクノロジーなどの新たな技術である。これらの技術の開発に向け、同国の国家安全保障当局は、民間企業との新たな関係構築を含む政策や、米国を筆頭とする重要パートナーとの新たな協力手段を確立する必要がある、とAPARCは指摘した。

会議では、学術研究者、政府の政策立案者、技術業界のリーダーという3つの関係者グループが一堂に会した。会議の目的は、これらのグループ間の利益共同体(community of interest)を形成し、新たな技術の主な開発者および利用者としてのインドの重要性、またインドの安全保障と米印関係におけるこれらの技術の重要性に対し関係者の感覚を鋭敏にすることであった。

インドのアジャイ・クマール(Ajay Kumar)国防次官と米国のホセ・W・フェルナンデス(Jose W. Fernandez)国務次官が基調講演を行った。ディスカッションでは、「軍事力における技術の役割」、「防衛技術におけるイノベーションを育むための官民連携」等、主に政策に関する問題が話し合われた。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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