TSMCとスピン軌道トルク磁気抵抗メモリを共同開発 台湾・工業技術研究院(ITRI)

台湾の工業技術研究院(ITRI)は、磁気メモリ技術の開発に関する産業・学術界のパートナーとの提携の成果を紹介した。次世代メモリ技術への移行において極めて重要な技術となる。6月27日付。

ITRIは、半導体世界大手の台湾積体電路製造(TSMC)と共に、スピン軌道トルク磁気抵抗メモリ(Spin Orbit Torque Magnetoresistive Random Access Memory:SOT-MRAM)アレイチップを開発した。

このSOT-MRAM技術は高効率・低電圧での書き込みを可能にし、0.4ナノ秒の書き込み速度と7兆回の書き換え回数(endurance)を達成している。この技術は将来的に埋め込みメモリの先端プロセスに統合し、人工知能(AI)やカーエレクトロニクス、ハイパフォーマンスコンピューティングチップ等に活用できる可能性がある。

(提供:ITRI)

また、陽明交通大学(NYCU)と協力し、幅広い動作温度に対応する磁気メモリ技術を開発している。NYCUとの提携では、効率性の高いMRAMの運用技術の開発に取り組んでおり、研究開発の成果を半導体業界の国際学会「IEEE Symposium on VLSI Technology and Circuits」で共同発表している。新たに開発したスピン移行トルクMRAM(Spin-Transfer-Torque MRAM:STT-MRAM)は-269°C~127°Cの動作温度で安定して動作し、量子コンピューターや航空宇宙分野での応用が期待されている。

ITRIは2030年までの技術戦略・ロードマップの下、スマート化(intelligentization)を可能にする技術に関して産業・学術界とより密に連携する構えである。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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