台湾大学(NTU)は、同大学の研究チームが、台湾の果物「アテモヤ(Atemoya)」の長期保存を可能にし、輸出拡大を支援する技術を開発したと発表した。
アテモヤは、12月から3月にかけての輸出額において台湾の果物で2番目の位置を占める。しかし最大の輸出市場であった中国が2021年9月にアテモヤの輸入を一時停止したため、台湾政府は海外市場の拡大を模索している。輸出市場で人気を集めるには、輸送中にアテモヤの鮮度を保つことが不可欠である。
NTUのチュンタ・ウー(Chun-Ta Wu)准教授らさまざまな領域の研究者から成る共同技術チームは、台湾政府科技部(MOST)の支援を受けて「アテモヤの長距離保存・輸送技術(Long-distance Storage and Transportation Technology for Atemoya)」を開発した。この技術は生のアテモヤの保存可能期間を2倍に延ばし、3~4週間日持ちさせることができる。これまで、生のアテモヤを、海上輸送によりカナダ、マレーシア、中東に輸出することに成功している。保存可能期間が延びることで、アテモヤの市場性は大幅に向上する。
同大学はこの技術を行政院農業委員会(Council of Agriculture)に無償で提供する。また、信頼性の高い輸出業者を選定して輸送費用を補助する取り組みも実施し、海外市場の拡大を支援するという。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部