台湾の工業技術研究院(ITRI)は、経済部工業局(IDB)の支援の下、2022年度の信頼できる人工知能(AI)に関する国際ワークショップ(International Workshop on Trustworthy AI)をオンラインで開催した。8月2日付け。
このテーマに関する国際会議が台湾で開催されたのは今回が初めて。参加した500名以上の専門家は、AIのリスク管理や信頼できるAIシステムについて議論した。
信頼できるAIに関する国際ワークショップの参加者
(提供:ITRI)
オードリー・タン(Audrey Tang)デジタル担当部長(Digital Minister)(無任所大臣)は、AIは人間を完全に置き換えるものではなく支援する知能(Assistive Intelligence)として理解できると指摘し、AIと人間の関係を「日本の漫画『ドラえもん』のような相互補完的な関係」と説明した。そのうえで、世界のサプライチェーンの重要なパートナーである台湾が信頼できるAIの枠組みを確立して製品に導入し、世界に広めることは、台湾の産業のさらなる成長や、イノベーション、包摂性、持続可能性を掲げる「スマート台湾2030(Smart Taiwan 2030)」のビジョンの実現につながると語った。
IDBのジャンファ・リュー(Jang-Hwa Leu)局長は、AIのリスク管理の重要性を強調し、台湾は米国標準技術研究所(NIST)やフランスの国立計量標準研究所(LNE)等の国家的研究機関と協力する意思があると語った。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部