ヒト属の移動、中央アジアが重要ルートだったと確認 米・英・豪・ウズベキスタンの国際チーム

米国クリーブランド自然史博物館のエマ・ファインストーン(Emma Finestone)博士が率いる国際共同研究チームが、考古学的データと古気候データの収集と分析を通じて、中央アジアが、初期のヒト属(earliest hominin)のアジアへの移動における重要なルートの1つであることを確認した。EurekAlert!が10月21日付けで伝えた。研究成果はオープンアクセスジャーナルPLOS ONEに掲載された。

この研究の成果は、中央アジアの草原(ステップ)・半乾燥(semi-arid)・砂漠地帯が、かつてヒト属やそのユーラシアへの拡散にとって好ましい環境であったことを示唆している。

「中央アジアは、アフリカからアジアへのヒト属の拡散において重要な役割を果たした複数の地域をつなぐ場所であるが、年代測定された考古学的資料や詳細な古気候の記録が少ないため、この地域における初期ヒト属の拡散や居住の動態を把握することは困難だった」とファインストーン博士は語る。

このような知識を拡充するため、米国、英国、ウズベキスタン、オーストラリアの学者を含む、4大陸にまたがる学際研究チームは、更新世(約258万年前~1万1,700年前)の中央アジアにおける石器のデータセットの構築や、洞窟の鉱物沈殿物(石筍)の解析を行った。

ファインストーン博士は、「温暖な間氷期とカスピ海の水位が高い時期が重なり、比較的水分が豊富で気候が穏やかであった時期の中央アジアは、更新世の石器製作者にとって好ましい居住地だったと我々は考えている。石器群のパターンもこのことを裏付けている」とし、「人類の起源を理解するうえで、考古学と古気候モデルを橋渡しする学際研究がますます重要になっている」と語った。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部