粒子状物質(PM)の成分と細胞酸化能による健康リスクの関係を研究 台湾

台湾の陽明交通大学(NYCU)と台湾大学(NTU)の研究チームが、粒子状物質(PM)の濃度だけでなく成分が健康リスクに大きく影響することを明らかにした。9月26日付け発表。チームは、人間の健康に対する空気質の影響をより正確に理解するにはPMの毒性を反映する細胞酸化能(cellular oxidative potential)に関するさらなる研究が必要であるとしている。

チームは台北市の交通量の多い道路の近くで空気質を1カ月間モニタリングし、PMの成分である有機エアロゾル、鉄、マンガン、銅等の物質が、細胞酸化能を高めることを明らかにした。特に上記のような金属成分は、自動車の排気ガスよりも、ブレーキパッドの摩耗により生成された可能性がより高いことがわかった。交通渋滞時にブレーキを頻繁に使用すると、このような摩耗が激しくなる。

英国の過去の研究により、ブレーキパッドの摩耗により生成される金属粒子は細胞炎症を引き起こし、排出ガスと同様に呼吸器合併症のリスクを高めることが示されている。

研究を率いたNTUのターチー・シャオ(Ta-Chih Hsiao)教授は、PMが人体に有害であるのは、このような物質に由来する活性酸素種が大量に人間の細胞内に蓄積すると(フリーラジカルの蓄積)細胞が傷つくためであると述べる。 研究チームは現在のモニタリングシステムに細胞酸化能の概念を導入し、人々にとっての実際の空気質を把握できる次世代の空気質評価手法を確立することを目指している。

(提供:いずれもNYCU)

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部