「韓国の未来は大学にかかっている」―米スタンフォード大学が提言

米スタンフォード大学ウォルターH.ショレンスタインアジア太平洋研究センター(APARC)のギウク・シン(Gi-Wook Shin)所長は、「韓国の未来は大学にかかっている」という内容の論説を発表した。10月13日付け。

筆者は米国が世界に対して持ち続けている影響力の源として「技術革新」、「軍事力」、「大学」の3つを挙げた。なかでも大学は中核的要素であり、巨大テック企業を生み出し、軍事技術の研究においても重要な役割を果たしている。

韓国の大学は現在、経営状況の悪化やソウル大都市圏と地方の地域格差といった深刻な課題に直面している。筆者は米国の大学教授としての30年間の経験に基づき、米国の大学の活力や影響について解説するとともに、活力を失いつつある韓国の大学にとって、これらの知見がどのように役立つかを考察した。

筆者はスタンフォード大学(Stanford University)やカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)といった米国の大学にならって韓国の大学が取り入れるべき特徴として、以下の点を挙げている。

  • 他地域の学校や専門学校からの編入制度の促進を含む、さまざまな学校間の共存・連携の推進。
  • 研究成果に基づく教員の採用や、リーダーシップやコミットメントを重視する入学審査。
  • 寄付金の奨励や、社会的課題への取り組みを通じた社会との連携。

また筆者は韓国の大学の内部統制に関する以下のような問題点を挙げ、こうした問題を解決するには、学長の直接選挙制度を含む大学の統制構造の改革が必要であると述べている。

  • 学長や学部長の任期が米国の大学と比較して短いため、継続性に欠ける。
  • 中央集権的である。
  • 教授の活動に関するルールが制度化されていない。

最後に筆者は、教育改革を行うと発表した韓国の尹錫悦政権に向け、同国の将来は大学にかかっていることを認識する必要があると訴えている。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部