糖尿病患者の網膜疾患治療薬、臨床試験開始へ 台湾

台湾の成功大学(NCKU)のウェイジャー・チャン(Woei-Jer Chuang)教授が、台湾の医薬品開発企業オールジェネシス・バイオセラピューティクス(Allgenesis Biotherapeutics Inc.) と共同で開発した網膜疾患治療薬「AG-73305」の、糖尿病黄斑浮腫(Diabetic Macular Edema)を対象とした第2相前期(Phase 2a)臨床試験の最初の患者登録が開始されたと発表した。国家科学技術委員会(NSTC)が10月18日に発表した。

チャン教授のチームは過去20年以上にわたってインテグリン結合ペプチドのデータベースを開発している。AG-73305は、チャン教授らが構築し、2015年にオールジェネシス社にライセンス供与されたディスインテグリン(disintegrin)プラットフォームに基づき開発された。

網膜疾患のアンメットニーズを満たす新たな作用機序(MOA)を持つ医薬品候補を探していたオールジェネシス社はこのプラットフォームを組み入れたさまざまな多重特異性(multi-specific)分子を設計し、AG-73305の開発へと至った。AG-73305は血管内皮増殖因子(VEGF)とインテグリンに関連するシグナル伝達を同時に阻害し、網膜疾患治療の鍵となる炎症、血管新生、線維化を阻止する。

AG-73305は2022年2月に米国で臨床試験の実施承認(IND)を取得した。ディスインテグリンを用い、臨床試験段階まで到達したNCKU発のプログラムは今回が初めてとなる。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部