高解像度・高輝度なARグラス向けフルカラーマイクロLEDディスプレイ 台湾

台湾の工業技術研究院(ITRI)は、拡張現実(AR)グラス向けの高解像度フルカラーマイクロLEDディスプレイ(High Resolution Full-Color Micro LED Display for AR Glasses)を公表した。このディスプレイは、重要な新製品・新技術に対して贈られる米R&Dワールド(R&D World)の「2022 R&D 100 Awards」(IT/電気部門)を受賞した。

ITRI のAR グラス用高解像度フルカラーマイクロLEDディスプレイ。高解像度をはじめ、高輝度、優れた互換性、低消費電力を備えている
(提供:ITRI)

このイノベーションは、パネルメーカー等の企業がマイクロLEDの用途を拡大し、メタバース向けの次世代ARディスプレイ製品におけるビジネス機会を確保することに役立つと期待されている。

このディスプレイは以下の4つを主な特徴とする。

  • AR用途に最適な非常に高い解像度(> 2,000 PPI)。
  • 現在市販されているスマートグラスの10倍となる高い輝度(> 20,000ニト)。
  • ディスプレイとセンサー機能を統合したコンパクトなデザイン(< 0.5インチ)による、さまざまな機器への対応。
  • 従来のスマートグラスの半分以下となる消費電力の小ささ(< 1ワット)。

ディスプレイの設計には半導体プロセスと同様の異種統合(heterogeneous integration)技術を採用し、マイクロLED、CMOS、量子ドット色変換層を1枚のパネルに統合することにより広色域のマイクロディスプレイを実現した。このディスプレイはシステム指向の業界統合・製造プラットフォームサービスとして販売されており、技術移転も可能であるという。2022年11月16日付け発表。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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