【AsianScientist】コーヒーを飲むと妊娠糖尿病のリスクが低下する可能性も

コーヒーが妊娠糖尿病のアジア人女性に利益をもたらすかどうかを確認するには、さらなる研究が必要のようだ。


アジアは世界的な糖尿病まん延の中心地であり、糖尿病患者の60%以上がこの地域に住んでいる(その約半分が中国とインド)。シンガポールだけでも、糖尿病を発症する生涯確率は3人に1人であり、糖尿病患者の数は2050年までに43万人を超えると予測されている。世界中の研究者が、この糖尿病患者数を減らす方法を探している。

American Journal of Clinical Nutrition に掲載された最近の研究では、シンガポール国立大学医学部のアジア女性健康グローバルセンター(GloW:Global Centre for Asian Women's Health)と米国のハーバードT.H.チャン公衆衛生大学院、および米国の国立衛生研究所(NIH)の研究チームは、コーヒーを飲むと妊娠糖尿病の2型糖尿病の患者数が減る可能性があることを発見した。

妊娠糖尿病は、妊娠中に女性の体が十分なインスリンを生成できない場合に発生する。妊娠糖尿病の世界の有病率は約14%であり、地域によって大きな差がある。疾病予防管理センターによると、妊娠糖尿病の女性の約 50%が妊娠後に2型糖尿病を発症している。

ハーバード T.H.チャン公衆衛生大学院とNIHは、シンガポールのGloWと協力して、以前に妊娠糖尿病を患った女性の2型糖尿病のリスクをコーヒーによって減らすことができるかどうかを研究している。彼らは約25年の間に、妊娠糖尿病の病歴を持つ女性4,522 人(大部分が白人)の調査を行った。

研究者は、カフェイン入りのコーヒーを飲んだ研究参加者は、そうでない人よりも2型糖尿病を発症する可能性が低いことを発見した。コーヒーをまったく飲まない女性と比較して、1日1杯以下、1日2~3杯、1日4~5杯コーヒーを飲む女性は、糖尿病を発症するリスクがそれぞれ10%、17%、53% 低かった。

ただし、研究者は、妊娠糖尿病の女性に対するコーヒーの効果を研究するには、特に地域別にさらに多くの調査を行う必要があるとしている。参加者の2型糖尿病のリスクを低下させたのはコーヒーに含まれるアルカロイドやジテルペンなどの他の化合物なのか、またはカフェインなのかについても、さらに確認する必要がある。

この論文の第1著者であり、GloWのポスドク研究員のDr.Jiaxi Yangは「コーヒーは甘味料入り飲料に代わる、より健康的な飲み物なる可能性があるが、コーヒーの健康効果はさまざまであり、コーヒーに加える砂糖やミルクなどの種類と量によって大きく異なる」と話す。

研究主任でGloW所長のCuilin Zhang教授も同意しており、「さらに多くの研究を行い、コーヒー摂取の健康効果が高いことを地域的に調べる必要がある」としている。研究者らは、アジア人でこの研究を行うことを計画している。

(2023年2月14日公開)

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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